アナイス・ニンの言葉に思う

“You cannot save people. You can only love them.” – Anaïs Nin

Thinking about her words again. To love is to accept them entirely, to cherish them as they are, to watch over and listen to them, and to believe in them completely. I think that way.

「人を救うことはできない。できるのは愛することだけ。」 ふたたびアナイス・ニンの言葉を想う。愛するとは、そのままを認め、そのものを受け入れ、ただ見つめ、ただ聞き、そのものの力を信頼すること。そんな風に思う。

私の中にある物語を

“We write to taste life twice, in the moment and in retrospect.” - Anaïs Nin

 
I remembered Anais Nin few days ago and have been looking for her diary. And today, I’ve started thinking of writing about the people I’ve met in my life. Finally, the time might come that I can recall my memories calmly and turn them into beautiful stories quietly.

 

ふとアナイス・ニンのことを思い出したのは数日前のこと。
一度英語で彼女の文章を読んでみようと思い立ち、彼女の日記を探している。

そして今日、私もこれまでに出逢い交わってきた人たちのことを書いてみたいと思うようになった。

「わたしたちは人生を二度味わうために書く。まずその瞬間に、そして追憶の中で。」という彼女の言葉がある。

ようやく私にも記憶を静かに捲って物語にするという作業を愉しめる冷静さと余裕ができたのかもしれない。

To meet people

I think I just want to keep travelling to meet people. To discover ourselves through each other, to find something beautiful in our spaces, and to create something new together – even if it would be invisible or formless. It’s my way, my art, and my life.

“We travel, some of us forever, to seek other states, other lives, other souls.” - Anaïs Nin

重なる対話、言葉を超える感応

昨日もまた気づけば4時間近く話しこんでいた。

この夏に出逢った人との時を超える濃密な対話。時間の感覚が抜け落ちていく不思議な循環。言葉を交わしながら、言葉を超えている官能。

先週から続いているこの流れはどこへ向かうのだろう。思いもよらない邂逅がもたらす物理的なへだたりを超える共振。

水と水とがぶつかるようにして出逢い、溶けあい、潜りこみ、新たな色が浮かび上がってはまた流れていく。

一瞬の交わりの中で

香港での出逢いは久しぶりに「この人とは過去に縁があったのかもしれないな」と感じるものだった。過去世があるとは思っていないけれど、出逢うべくして出逢った人との一瞬の交差。

死と生にまつわる対話の中でいくつもの時がほどけていった。

君が生きていてくれてよかった。共に生きていこう。

物語への感情移入ではなく、その人が今ここに生きて存在しているということに震えを覚え、理屈にならない涙がこみ上げた。私たちはいろいろと間違えたりもしたけれど、それでも今こうして生きているという実感と共振。

こういう出逢いは時々起きる。
それも、いつも思いもよらない時と場所で。

Encounter in Hong Kong

昨夜はまた思いもよらぬ展開が起きて、香港の若者たちに混ざり、一人では決して行かないだろう店でたくさんご馳走になった。

まるで前世からの繋がりのような不思議な縁を感じる出逢いもあった。

ありがとう。
きっとまたすぐに来るよ、香港。

Trip to Hong Kong

香港に到着。一年半ぶり。

外の空気の湿度の高さと、建物の中や車内の寒いほどの冷房、荒々しい運転のシャトルバス(乗客のスーツケースが吹っ飛んだ)、道路のあちこちから鳴り響くクラクション、すべてが久しぶり。

火薬塔の上から

プラハ市民会館を出た後は、隣に建つ火薬塔へ昇りましょうということになった。既に日は沈んでいたけれど、夕焼け空にプラハ城といくつもの尖塔がシルエットとなって浮かび上がる様は美しい。

今回ご一緒している女性とは、まだお会いしたばかりだというのに話がはずんで止まらない。年齢や立場の違いなどによる隔たりは全く感じられず、すっかりリラックスして過ごさせていただいている。きっと彼女のオープンであたたかなお人柄によるものだろう。

おかげさまで、初の案内役を任された緊張もすっかりほどけて、彼女をご案内をしながら私自身もプラハ観光を楽しんでいる。

 

プラハ市民会館 – Obecní dům 見学ツアー

昨日からプラハに滞在されているお二人をご案内しながら、私自身も久しぶりにプラハ観光をしている。今日は午後から音楽博物館を訪ねた後、プラハ市民会館(Obecní dům)へ。

プラハ市民会館は世界的に有名なアール・ヌーヴォー様式建築。実は、私自身も内部を見学したのは今日が初めてのこと。内部はガイドツアー(英語・チェコ語)に参加して見学する。日本語で書かれたパンフレットの貸し出しもある。

チェコを代表する芸術家たちが手がけた美しい絵画や装飾を見ながらガイドの熱心な説明に耳を傾けていると、この地に生きた・生きる人々の思いが胸に迫る。

 

スラドコフスキー・ホール(Sladkovský Hall)はプラハ市民会館の中で唯一の装飾が成されていない部屋。 しかし、職人が手作業で作り上げたというシャンデリアやカーテンが美しい。チェコのジャーナリストであり政治家でもあったカレル・スラドコフスキーの名が付けられている。

Sladkovský hall of Prague Municipal House

チェコの国樹である菩提樹の装飾が施されたリエガー・ホール(Rieger Hall)には、画家マックス・シュヴァビンスキーの壁画がある。描かれているのは作家ヤン・ネルーダや画家ミコラーシュ・アレシュ、作曲家のベドジフ・スメタナアントニーン・ドヴォジャークなどのチェコを代表する芸術家たち。

Rieger Hall of Prague Municipal House
The painting in Rieger Hall of Prague Municipal House

プラハ市民会館の中で最も有名なのはアルフォンス・ムハが手がけた市長の間(Mayor’s Hall)だろう。『スラヴの連帯』と題された丸い天井画を囲むようにして、壁には8人の歴史的人物と、民族の歴史や独立に向かって毅然と立ち上がる青年の姿などが描かれている。ムハはこの部屋の装飾を無償で引き受けたという。

Mayor’s Hall of Prague Municipal House, all the work of Alfons Mucha
“The Slavonic Concord” painted by Alfons Mucha : the ceiling painting in the Lord Mayor’s Hall, Prague Municipal House
Murals by Alfons Mucha in the Mayor’s Hall, Prague Municipal House
The chair decorated by Alfons Mucha in the Mayor’s Hall, Prague Municipal House

19世紀に活躍したチェコの歴史家・政治家フランティシェク・パラツキーの名が付けられたパラツキー・ホール(Palacký Hall)。壁と天井の絵は画家ヤン・プレイスレルによるもの。穏やかな田園風景とくつろいだ様子の人々、入浴する女性や白馬に乗った男性などが描かれていて、地上の楽園を連想させる。

Palacký Hall of Prague Municipal House

市民会館建設の主唱者、市民連盟のために作られたグレーグル・ホール(Grégr Hall)の装飾は画家フランティシェク・ジュニーシェクによるもの。壁と天井に広がる寓画には人の生から死までの物語が描かれている。部屋名はジャーナリストであり政治家でもあったユリウス・グレーグルから付けられたそう。

Grégr Hall of Prague Municipal House

アール・ヌーヴォーとアナトリア美術に触発されたという東洋の様式が調和するオリエンタル・サロンは、チェスやカードなどのゲームを楽しむための空間として作られたそう。テーブルや棚などの調度品にもユニークかつ丁寧な細工が施されている。

Oriental Salon of Prague Municipal House

面積14.3㎡という小部屋は、チェコの女性作家ボジェナ・ニェムツォヴァーに敬意を表して作られた女性用の休憩所だという。角にはモザイクによって装飾された噴水があり、窓際には小さなテーブルと椅子が置かれている。

Small fountain in Božena Němcová Parlour of Prague Municipal House

漆喰の壁と天井に施された装飾がまるでお菓子の上のクリームデコレーションのように見えることから「コンフェクショナリー」と呼ばれる休憩室。大理石と鏡がふんだんに使われている室内は明るくてスタイリッシュな印象。映画の撮影などにもよく使用されるのだとか。

The ladies’ parlour called “Confectionery” in Prague Municipal House

最後に見学したのは、プラハ交響楽団の本拠地スメタナ・ホール。ステージ上にある世界最大級のパイプオルガンの真ん中にはベドジフ・スメタナの横顔が。天井には採光窓が設けられていて、豪華な装飾が施された空間には美しい色と光が降りそそぐ。

Smetana Hall, represents the largest area of Prague Municipal House.

煌びやかな装飾が施されたプラハ市民会館のファサード。美しいモザイク画のちょうど真下にあたるバルコニーのある部屋が、アルフォンス・ムハがすべての装飾とデザインを手がけた「市長の間」。

Prague Municipal House’s facade

ご一緒した女性はアルフォンス・ムハが大好きだという。そこで「ここのメニューにもムハの絵が描かれていますよ」と市民会館内のアール・ヌーヴォー・カフェへ。甘さ控えめのチョコレートケーキがウィーンで食べたものよりも口に合うと喜んでもらえた。

Art Nouveau interior decoration of Kavárna Obecní dům
The menu book of Kavárna Obecní dům